チジミとベタの違い
マグロにはチジミとベタがありますが、さて、違いは何でしょう
まずは漁法のお話から・・・延縄漁法で取れたマグロは船の上に揚った時点で死んでいるものもいれば、生きて揚るものもいます。
延縄とは100キロ以上(東京から静岡あたりまでの距離)の縄に針をたらし餌をつけて流す漁法です。
なお、早めにかかった魚は揚るまでに息絶えて死んでしまい、比較的後にかかった魚は生きて揚るというわけです。死んで揚った魚は既に死後硬直が終わっており鮮度的にはあまり良くありません。
逆に生きて揚った魚は船の上で血抜きされ、そのまま急速冷凍室に入れられます。まだ死後硬直は始まる前に凍結がかかるのです。
既にお分かりだと思いますが、解凍した時点で身が縮むとそれが活〆の証拠。いわゆるチジミ身質になるのです(この時点で死後硬直状態になっています)。ベタ身のマグロは死んで揚ったマグロの証拠です。
どちらがよいかと言うと、チジミのマグロのほうが市場評価は高いです
色も赤くしっかりと出て、色持ちも良いのが特徴です。ただし、解凍の仕方が悪いと身がクネクネしてしまいまた舌触りもざらざらした感じのまぐろになってしまいます
ベタ身の魚は色持ちがあまり良くない反面、解凍さえしっかりすれば旨みのある魚になります。牛肉と一緒で熟成されたものは美味しいのです。
またスーパー等でパックにいれて販売する場合は、身がクネクネしない分綺麗に見せることができます(色さえしっかりしてれば・・・)
本当にマグロの使用用途によって分かれますが、基本的にはチジミ質のマグロは間違いが少なく、色持ちも良いのでプロには薦めています
でもベタのマグロは色がしっかりしていてねっとり質の身質は最高に旨い
でも失敗するとただの水っぽい黒ずんだまぐろになってしまいます・・・